幸村の「はっさく」について(マシュマロお返事)

本日いただいたマシュマロのお返事です。

こんばんは。マシュマロありがとうございます!
こちらのふせったーにいただいたコメントと理解しております。

 

https://fusetter.com/tw/gQ07Yh7f

https://fusetter.com/tw/sVkS4ng5

 

お返事長くなってしまったのでこちらにまとめました。


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兼続ルートもそうですが、西軍二人のルートは掘れば掘るほどセルフメンタルアタックがキマりますね。こんなシナリオを書いてくださったコエテクさんに感謝です(誉め言葉)

さてご相談(?)いただいた件ですが、以下のように理解しました。

 

・幸村は「はっさく(八朔)」を七緒=龍神に捧げることで「頼み事」をした。
・この「はっさく」は、史実の徳川家康が「八朔(8月1日)」に江戸城入城を果たしたことに引っ掛けた暗喩である。
・すなわち幸村の頼み事というのは、①この時点で豊臣の家臣の一人である家康が義に従って主家に忠義を尽くすか、または②せめて天下を取った家康が後には東照大権現=神となるにふさわしい義に沿った善政を敷く(天下静謐を成す)よう彼を導くこと、である。

 

おもしろい考察ですね! そういう方向に解釈もできるんだな~と楽しく読ませていただきました。


個人的な解釈としては、幸村の「頼み事」の内容は、イベント「星の一族と龍の宝玉」で「龍神の神子の使命を果たし、この世界を救ってほしい」と七緒に伝えるシーンがありますので、そこで本人が口にしている以上のものではないかな、と考えています。少なくともこの時点では。

 

劇中で兼続が引用する「鬼神は敬して~」という言葉があります。この言葉は正確には「民の義を務め、鬼神は敬してこれを遠ざく。知と謂うべし」といいます。
つまり劇中の「義」という言葉の究極の意味は「(人として当然の)義務」のことであり、「正義」とか「道義」とかの道徳的な話とは無関係に、ただ「天命によってそうすべきと定められていること」だと解釈しています。

天は天命を果たそうとするものを助けます(「天恵」)。反対に天命に逆らおうとするものは容赦なく滅ぼします(「天罰」)。

幸村にとって「義を貫く」ことは「主家を裏切らない」こととイコールです。それは彼の天命がそういうものだからです。他方、秀吉子飼いの家臣だった長政は大坂の陣では豊臣を見限って(主家を裏切って)家康に与しますが、このせいで彼が天罰をこうむることはありません。天が長政に与えた命は、最後まで豊臣家に忠義を尽くして命を燃やし尽くすことではないのです。

 

そして、家康に与えられた天命は、「豊臣にかわって天下を治めること」だと解釈しています。いわゆる易姓革命です。「豊臣が天下を治めよ」という「命」が「革(あらた)」まって、「これからは徳川が天下を治めよ」という命が新たに与えられたから家康は天下取りに動き出したわけであり、これは「天意」にかなう行いです。

したがって幸村が龍神に願うまでもなく、家康は天下静謐を成します。成せなければ天が彼を滅ぼし、代わりのものを選びます。家康に命を下しその行動を評価してよいのは天だけであり、幸村本人はもちろん、たとえ龍神であろうと彼の天命に干渉することは「分不相応」と言えます。

他に幸村が龍神に願うことがあるとすれば、「最後まで義を貫き、天が私にそうすべきと定めた命を、人として当然なすべきことをなせるよう、どうか見守っていてください」というものではないでしょうか。実際彼はそのようなことを言っていますね。